はじめに

研究内容

研究成果

メンバー

プロトコール
   蛍光変換蛋白質のバルク変換
   BY-2 細胞の形質転換

植物細胞(写真館)

タバコBY-2細胞

実験室写真館

役に立つリンク





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分泌系とは

小胞体に始まる、細胞内小器官の組合せからなる、細胞外、細胞膜タンパク質等の合成と修飾、脂質の合成と修飾や、各種代謝産物の変換、また植物においては各種ホルモンや光シグナルの受容も行っている膜系で、主な構造体として、小胞体、ゴルジ装置、エンドソーム等が知られています。また、この系から派生した細胞内小器官として、液胞、リソソーム等などもあります。これらの構造体の間では、輸送小胞と総称される膜小胞により物質の移動が行われています。



ここに、植物細胞における分泌系の概略図を示しますが、今迄に記載されていない各種の構造体が未だ発見されつつあり、実際は機能と構造の多様性に富む複雑なネットワークからなっている膜系であることが、明らかになりつつあります。







 この系の機能を大まかに見ると、産業活動とのアナロジーが見えてきます。すなわち、小胞体等は一次生産 と簡単な加工を行う構造体であり、ゴルジ装置はコンビナートや集配基地のように、タンパク質や脂質の複雑 な加工と仕分けを行う構造体です。そこで、植物を用いて人に有用な物質を合成させる際には、分泌系の機能 の理解とその利用・改変を行う技術が必須となります。しかし、植物の分泌系の機能について、現在迄に明ら かになっていることは、植物が行っている機能のうち、一部に過ぎません。





 ゴルジ装置における細胞壁多糖の合成と細胞壁への輸送の制御機構は、植物の生長の制御を知る上で重要な 点でまたバイオマス生産のためにも理解が必要な事項ですが、殆ど解析されていません。植物細胞の後期分泌系 においては、何種類の異なる輸送系が存在するか、またそれらがどのように制御されているかなどに関して上図に 示すとおり、殆ど解析が進んでいません。そこで、タバコBY-2細胞を主要なモデル 細胞とし、シロイヌナズナ等の植物個体も用いながら、これらの未解明の問題について研究を進めています。